atopycolum: 2004年6月アーカイブ
松岡さんのページによりますと
22日午前9時20分ごろ、京都市右京区、財団法人高雄病院の1階外来診察室に入ってきた女が、持っていた鍋の熱湯を診療中の院長、江部洋一郎さん(56)と診察を受けていた女性(68)にかけた。
江部さんと女性はいずれも右腕に軽いやけど。職員らが女を取り押さえ、駆けつけた太秦署員が傷害の現行犯で女を逮捕した。
調べでは、京都府宇治市、無職、辻井清美容疑者(40)で、無言でいきなり熱湯をかけたという。鍋は自宅から持ち出し、病院の給湯室で熱湯を入れたらしい。
太秦署や病院によると、辻井容疑者は約10年前まで同病院でアトピー性皮膚炎の治療を受けていたといい、調べに対し「治療に不満があった」と供述しているという。
(06/22 13:58)
高雄病院の江部先生と言えば脱ステロイドが叫ばれだした1980代後半ごろから活躍されている先生である。この先生も脱ステロイドの治療先人的に行った、知る人ぞ知る先生である。その先生の病院で10年間の治療に対する恨みがあったというのは、なんとやるせないはなしだろう。裁判で成敗するか、熱湯で成敗するか、熱湯は捕まってしまうのだが、裁判は合法的なことなのでつかまらないし傷害にもならない。頭がきれるか、手が出てしまうか。世の中にアトピーの真実を求めたとき、アトピーの原因がはっきりと示せるものを患いながらも見えるか見えないか。見えたり見えなかったりする真実の中で、患者は判断材料の乏しさ、にこれだけ苦しまないと言う現実だけは、改めて一般の人にも考えてもらいたいものである。
ステロイド剤の代わりに刺激の強い薬剤を用いた不適切な治療法でアトピー性皮膚炎が悪化したとして、東京都の女児(8つ)と両親が、都内で皮膚科医院を運営する医療法人と院長に約1150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、医院側に約640万円の支払いを命じた。
女児らの代理人弁護士によると、非ステロイド治療で医院側の過失を認めた判決は初めて。
判決理由で片山良広裁判長は「刺激やかゆみを感じさせる治療で、かえって症状を著しく悪化させ、全身衰弱をもたらした」と指摘。「医師として因果関係を知り得たのに治療を続けた過失がある」と判断した。
判決によると、女児は足に湿疹(しっしん)が消えなかったため2000年4月、この医院を受診し、アトピー性皮膚炎と診断された。院長の勧めで、レーザー照射や刺激の強い外用剤を使った非ステロイド治療を受けたが、直後から全身に炎症が広がり、高熱や脱毛などの症状が続いた。(共同通信)
この記事を見て、時代も変わったなぁと感じた。ステロイド使用での過失を追及する時代から、ステロイドを使用しないことでの過失を追及される時代になった。ステロイドを使用する、しないが争点ではないと思いたいが、今後は、非ステロイド治療をおこなってアトピーが悪化した場合、このような裁判が展開されるのだろうか。
この記事だけではまだ詳細はわからないが、レーザー照射と刺激の強い外用薬の使用が悪化の原因とされている。この方法でアトピーを治すことに関しては私も無理があると思う。痛みを強めたり。レーザーを当てたりしても治る例は少ない。それよりも、アトピーに対する治療の方針が見えないのは問題だと思う。また保険適応外の薬が処方されて悪化したのか、それとも、法外な医療報酬でも請求していた事による損害なのか、もうすこし、情報の収集をしないといけない。しかし、もしも、ステロイドを使わない治療が、過失になると言う判決なら、これは非ステロイド治療は治療放棄であると言う、概念の固定化に他ならない。
追記として、非ステロイドの治療をしていた病院名と先生の名前がわかった。松岡氏の記事にも書かれているのだが藤沢皮膚科の藤沢重樹氏のようである。藤沢氏に直接会ったことはないのであるが、ステロイドを使わない治療をする先生として東京では有名だ。この事実を見たときに、前出の治療法が悪かったんではないかと言う批判は値せず、ステロイドを使わなかったことに対する判決と捕らえるべきであろう。
アトピーの治療法に関して、ステロイドを使用しない医師は治療放棄した、などという審議が行われたのであれば、アトピーの原因についてどのような立証がなられたのか。また、ステロイドの副作用がまったくないことを証明されたのか。この点がはっきりしない限り、社会問題化しているアトピーの問題点を究明する裁判としては成立していないのも確かなのではないだろうか。
前回、アトピー患者の苦悩 旅情編を書いてのだが、それを見ていた友人の家に、朝まで寝ないでしゃべっていた。
最近、なぜか終電までしゃべっていることが多い生活をしているのだが、その流れでどうしても、終電に乗り過ごす事も結構ある。終電には無条件で帰ればいいのだろうが、なかなか雰囲気に勝てない自分もあるので、終電後は、友人宅についていくことがある。その際、私は他の人の家に寝て泊まる選択肢のない人なのである。
私は友人宅で寝ないので始発で帰ればそれでいい人のなのだが、相手をつき合わすことは私の本意ではない。だが、他人が朝まで起きていられると、寝られないという人もいるようで、その部分では本当に他人に迷惑をかけているなぁと感じるのである。
先日、他人が寝ていないと寝られない友人の家についていってしまったときに結局友人は、私が帰るまで起きていたのだが(決して無理強いをしたのではないのであしからず)
なぜ他人の家で寝られないのかを話し合ってみたのである。
私の場合、旅行さえ楽しいというより不安が先に付きまとう人なので費用があっても行かない選択肢をとるのである。それと同じように、他人の家で寝ないのはなぜなのか、それは私の病状が非アトピーの人が見たとき奇異の目にさらされることと、バリバリと掻く騒音を友人に迷惑をかけたくないと考えてしまっていたのである。寝ないで帰るほうが、何事もなかったように終わるのだろうが今回のように寝ていてくれたほうがいいという友人は本当に理解できるのだろうか、わからないだろうなぁとずっと思っていたことは間違いない。
しかし、その友人は私の病気に対する理解者で、市民活動でもいろいろな問題に関心を持って理解しようとする姿勢の友人にも壁を作っている自分が見えてきたのである。
その話のとき友人に「バキバキ掻いたり、顔叩いたり、めっちゃ驚くよ」といったのだが、友人は「それよりも無味無臭な社会がおかしいんだ」といわれたときにハッとしたものである。
彼のいう無味無臭とは、昔のように長屋や文化アパートの時代なら、隣の夫婦喧嘩や、酒飲んで暴れているおっさん、いびきのでっかいおっさんがいて、それを容認できる社会だったのに、今はちょっとした騒音でもすぐに消されていってしまう。
その文化の中で私のような、無意識になると騒音を立てながら寝ないといけない人の立場は見えなくなるし、消えて行っちゃう事になるのだろう。確かに防音室で寝ないといけないなぁと考えることもあったのである。
無味無臭な社会、私も考えれば無味無臭になることを望んでいるのかもしれない。そうでありたいが、なれない自分。無味無臭な人間だと思っている人は大事なものをなくしているという根本だけは忘れてはならないだろうと思う今日この頃である。
「アトピー」関連のサイト巡りを始めると、悲しいかな「現在の治療法における疑問」が沢山あることに気付かされる。
薬然り、病院の態勢然り、治療を受ける側にとっては深刻な問題である。・・・・正直、読めば読むだけ凹むのだ。
あたしの場合、ストレスを溜めれば溜めるほど、イライラするほど手が身体に向かうので、自然と記事を読まなくなっているのだと思う。
長年アトピーと付き合うことで、蓄積された感情だと思うのだが、『他人はあてにするな。自分の身体は自分が一番良く知ってるのだから』というのがある。
あたしの中で、医者に対する信用度が薄いのも、民間療法に対する信用度が薄いのも、「アトピー性皮膚炎の方でも大丈夫」と謳われる市販の化粧品やらスキンケア用品に対する信用度がゼロなのも、過去の苦い経験から出来上がったものだ。
父が化粧品関連の仕事に就いていることもあって、「化粧品の恐ろしさ」を知ったことも原因の一つかもしれない。
何にせよ、新しいモノに手を出す時の『もし、これを使ったことで何か起きたらどうしよう』という思いは、なんとも言えない複雑な感情であることには変わらない。
もの凄く大きな恐怖の中に ほんの小さな期待を忍ばせつつも、心のどこかでは手にする前から諦めている(諦めの感情を持っていないと、凹む度合いが高いのだ)・・・考えてみると、他のどんな事柄よりも神経を使っているのだと気づく。
私も同じ思いである。どれだけ「アトピーが治る」という台詞に振り回されたことか。そういう意味では、アトピーが治る系のものを信じないで使ってみるように心がけるあたりの気持ちも、私と同じである。家電商品が好きな私の場合、空気清浄機に掃除機、エアコンの空調、洗濯槽の洗浄などだいぶ投資したものであるが、どれひとつとして、期待にこたえてくれたものはなかった。後になって冷静に考えればわかるのだが、体調の調子がいいときも、環境は関係なかったと思うと「あ、しまった」と思うのである。私は男性なので化粧品がアトピーに効くとはまったく思わないので、このあたりは、性別の差が出るのだろう。私の場合、ルックスが悪いほうなので、化粧品に凝ってみてもいいのかもしれませんが。。。
巡り巡って行き当たったサイトがあった。 「無断転載を禁ずる」とあるので、内容については触れないが、読めば読むほど複雑な感情に囚われたのだ。
不覚にも 涙が出た自分がいて、『何で泣いたんだろう』と、感情が落ち着いた後 考えた。
自分の持つ病気は、そう簡単に治るものじゃないから と、自分自身が半分諦めつつ取り組んでいる と思っていたけど、やっぱり『完治したい と思う気持ちがどこかにある』んだ と気付かされた。
医者も民間療法も疑ってかかるクセがついてるけど、『信じたいと思う気持ちが まだ残っている』んだ と気付かされた。
アトピーを持つ人の思いを、しっかり受け止めてくれる医者や企業に出会える人が増えて欲しい と、切に願う。
この部分に関しては、私も同じ思いです。やっぱり医学的科学的根拠を並べ立てて、解説されたものを見てしまうと、つい治ってしまうのなら、もう一度、人を信じてみようと思い直すのである。私も本心はアトピーが治ってほしいのです。一日も早く普通の人と同じように戻りたい。でも、そういう思いを持てば持つほど、世間に振り回されるし、努力しても治らなければ自己嫌悪にもなる。
こういうことについても、一緒に考えてくれる医者がいたら、心強いのかもしれません。ちなみに私の場合、そういう治療法の医学的科学的根拠を信頼できるお医者さんに見せて、一緒に検討することにしています。ちなみに今まで、科学的医学的根拠は、うそという結論でした。
以前、ある漢方薬局が、アトピーの原因をそれらしい根拠を立てて解説しているホームページがありました。ところがその漢方薬局が軟膏に無断でステロイドを混ぜていると言う報道がなされていました。そのとき、その薬局のリンクを張っていた、アトピーの当事者サイト管理者に、「この事態をどう思いますか」と、メールを投げたら、「当方のページからリンクを削除しました」とのメールだけが来て、「では当事者が、紹介したことで被害にあうかもしれない情報を扱ったあなたの責任は?」と問いかけたところ、お返事をいただけませんでした。決して悪気がなかったにしても、自分の手で被害者を作ってしまわないよう心がけないと、悪徳業者から利用されるだけになることだけは気をつけなくてはいけない。
28日午後10時35分ごろ、兵庫県三田市武庫が丘の男性会社員(41)方で、長女(4)が寝室で死亡し、妻も洋間で首をつって死亡しているのを、帰宅した会社員が発見し、119番した。
県警三田署の調べでは、長女の首にハンカチが巻かれ、絞められた跡があった。会社員には、長女のほか生後10カ月の二女がおり、2人ともアトピー性皮膚炎だったという。妻は子どもが泣いて夜も寝られないと悩んでいたといい、同署は、妻が子どもの病気を苦に無理心中を図ったとみている。
会社員は愛知県の会社に勤務。月曜の朝に出かけ、金曜夜に帰宅する生活を続けていたという。
松岡さんのページの記事を見て知ったのだが、あまりも悲惨である。子供に何の罪のないのに、なぜ、子供を道連れにするのだろうか。この文化は日本に顕著であると、ある人から聞いたことがある。
子供の障害を受け入れることは親にとって難しいのかもしれないが、子供の生き死にの権利や、幸せの価値観は子供本人が決めることと言う認識がない、俗に言う共依存の極まった形なのかもしれない。
話は変わるが、自分の国が他の国に占領されるかもしれないと考えて、人殺しするための武器を大量に買い込んでいる国は(軍事予算は世界第二位)、足元で生活に苦しみを抱えた事で国民が死んでいっている現実に目を向けられないのだろうか。(すでにアメリカに占領されていることもわからないのだろうか)
国民を護る事は武器を買い込む事だけではない。国民一人一人がこのようなことがあっても生活を安心して送れる事を目指さない限り、自殺者を減らすことは出来ないだろう。最近の論調で考えれば、病気になったのは本人の努力不足だから自己責任で死んでくれと言う事でも言い出しそうで心配だ。
自分の国の国民を安心させられない状況で、他の国の不幸ごとを解決できると真剣に考えているのだろうか。今一度、世界にも通用するような社会福祉厚生の制度を考え、その制度を輸出することで世界に貢献してもらいたいものである。
体制批判ばかりしていても仕方ないので、アトピーを抱えることでおきる問題点を少しでも隣人に理解してもらう活動を粛々と進めるしか、今の私には出来ない。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。
