激闘 人生あと一ヶ月 親父とのラストラン その11
なかなか、突然の出来事。
病院と自宅を往復するだけの日々。
いつもどおりの生活が懐かしくなり、病院へ寄った後は、大阪梅田にある、立ち飲み屋へと足を伸ばしてみた。
マスター お。お久しぶりやね。
高山 こんばんは。
マスター どないしたん?
高山 実は父が末期がんで倒れてしまってあと、一ヶ月って言われてます。
マスター あなたはいつも大変な運命を背負わされるね。
高山 そうですけど、今日この店に来たのは、親父と同じ世代の皆さんなら息子に何をしてもらいたいか聞きにきました。
マスター そうやね、難しいこと聞くね。やっぱり近くにいてもらうことだけかな。
高山 やっぱりそうですか。それ以外は特にないんですね。
マスター まぁとにかく今日も一杯飲んでからまた明日の看護に備えなさいね。
高山 はい。
家でほとんど話すことのなかった父との関係で、急にお別れの局面を迎えた。なので、何をすればいいかなんて当人にはきけないから親父たちのいる街で話を聞いたけど、そのときばかりは親父さんたちに励まされて、逆に悲しくなって、今まで申し訳ないことばかりしてきたなぁなんて思い返して帰り道では号泣してしまった。親父のためにできることを聞きに言って、それが、自分が今まで親父にしてやれていなかったことを思い返させられて、涙するなんて不思議な感覚だったな。
そして、いつもお世話になっている大学教授からも偶然電話があったので、父の件を相談したのだけども、ホスピスに転院をさせたいのがあなたの願いなら、残されたものが後悔しないためにも本人を説得してホスピスへ移すようにしないと、双方が後悔することになるというアドバイスもいただいたりした。
なんとしてでも、親父の最後は軟着陸さしてやらないと子供としての勤めが果たせない。そう思った一日であった。
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