激闘 人生あと一ヶ月 親父とのラストラン その2
当直の医師は私をカンファランス室へと呼び出した。
医師 あのーCTを撮らせてもらいました。写真はこのとおりです。この部分が肝臓、腎臓、胃、大腸、小腸になります。その内、肝臓の部分が肥大して、デコボコとした腫瘍が複数見られます。胃にも腫瘍が複数見られます。これは、悪性腫瘍によるものであると考えられます。とにかく、この状態では当院では対応できません。転院先を探しますのでご協力をお願いします。
高山 了解しました。
医師 また後ほど詳しい検査結果をお知らせしますのでそのときに詳しいお話をしましょう。
実は息苦しさを訴える6時間前に私に向かって親父かこんなことを話していた。
「なんか今日、家に帰ってきてから、胃の調子がよくない。なんかもたれる。医者に行こうと思うけどどっかいいところしらないか・」というので「大きい病院にかかっておいたほうが正確なことがわかるよ」って話をしていたところで、そのときに「がんかもしれない」なんて軽口をたたいていたんだけど、まさかそれが本当になるなんて夢にも思わなかった。
そのあと、会社に電話。部長に事情を話して会社にいけなくなったことを連絡。その後、私の係りのリーダーにも連絡したけど「今後の見通しが立ってから連絡してくれ」との返事。無理なので、連絡は部長への一本化を図った。
そして兄にも連絡。兄も会社を休んで駆け付けた。
親父と同居生活を32年しているわけだが、当家は母が13年前に亡くなって以降、家庭内では私が母親役をすることが多く、掃除洗濯料理は一通りできるようになっていた。なので、親父の看病に関してもできないわけではなかったが、自分の生活も合わせて待っている。自分の飯のこと、掃除に洗濯等。そして、生活のために仕事もあるのである。さて、私に伴侶もいないしどのように立ち向かっていけばいいのか本当にこのときほど困ったことはなかった。とにかく、明日から生活が激変する。
その間、親父は検査検査の連続で相当疲れていたようだ。
そして二度目の医師からの呼び出しを受けた。二度目に呼ばれた医師はなんと重症アトピー患者さんで言いにくそうに私に話を切り出した。
医師 お父様の病状ですが胃がんです。胃がんから肝臓などに転移が進み、多分脳にまで転移している状況と考えられます。胃の近くにあるリンパ節は腫れていてがんに抵抗をしている証拠でしょう。
高山 正常な状態の写真はどのようなものですが。
医師は看護師に向かって「ほかの患者さんの写真持ってきて」と指示をした。
医師 このように正常な内臓にデコボコした部分はうつりこむことがありません。また、肥大することもありません。
高山 では、がんは今どの程度まで進行しているのですが。
医師 末期です。
高山 残された時間はどれぐらいですが
医師 長くて3ヶ月。このまま行けば数ヶ月以内でしょう。
高山 では今後何ができるのですが?
医師 まずはこの病院以外で、専門医に診てもらう必要があります。
高山 医大の専門医はいないのですが?
医師 内科は満床で今は受け入れることはできません。
高山 ではどの病院に転院する予定ですか?
医師 いえ、高山さんの自宅の近所に大きい病院とかありますか。
高山 N市立CHU病院があります。
医師 わかりました。では一度問い合わせをしてみましょう。
高山 ホスピスという選択肢は現在ないのですが?
医師 まずは専門医のいる病院にかかられてからご相談ください。
高山 わかりました。
しかし、上記の会話にまったくの違和感を感じないわけではなかった。何でって、病院が患者を選んで受け入れないっていてるんだもの。命に差別があってたまるか!!っておもうのは感情論として当然だけど、さて、この状況どう解釈すればいいのか知り合いの医療従事者へと連絡し、内容の確認を行うことになった。
第三話に続く(coming soon)
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