カルト資本主義

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 先日、斎藤貴男の「カルト資本主義」(文春文庫)を読んだ。この本の中には稲盛和夫や船井幸雄が登場する。特に土佐清水病院とAOAアオバの関連性を知っている人物なら 、船井幸雄氏の思想が反映されている部分を色濃く見ることが出来る。

 この本の中で主張したいことは閉塞間に陥った日本に、元気をつけるという動機で全体主義を唱え、個人の主体性を骨抜きにする思想を事細かに説いているのである。これは、高度成長期の日本が学生運動に加担していた学生をバリバリの企業人へと仕立て上げていく、ワーカーホリック化させることで、個人の主体性を骨抜きにする手法をそのまま真似たものなのである。

 確かに高度成長期の時代は個性を滅して働きさえすれば会社の業績も上がるし給与も増える時代であったので、自己というものを考えることなく流れに任せていればそこそこの生活も出来、達成感を味わうことが出来た時代だったのだと思う。

 しかし現在は、成長も鈍化し、今までのように個人を滅して働きさえすれば充実感を味わえる時代ではなくなった。それどころか、今度は会社が個人に対して何が出来るかということを求める時代に変わったことで、業績を上げられない人間はダメ人間のごとくレッテルを張られてしまう世の中になり、更に、閉塞感が漂う悪循環に陥るのである。
 
 それをいいことに、今度は成功者と言われる人物にクローアップする時代になり、その人物の言うとおりに生きていけば自分も成功するのではと錯覚を起こさせる手法が登場しだしている。

 昔、笑い話で金持ちになる本というのを買ってその本を読んだら「金持ちになる本を書けば金持ちになりたいアホが世の中でいっぱいいるので、金持ちになれる」と書いてあったという事を聞いたことがある。

 これは病気でも同じことが言える気がするのである。私のページにどうすればアトピーが治るか情報がほしいと良くメールが来るのである。私がもう少し賢ければ、その人々に民間療法や健康食品を薦めて金儲け出来る図々しさがあればいいのだろうが、私自体が入退院を繰り返している以上アドバイスなど大それた事は出来ないのである。

 だいたい、私ははっきり断言しているがアトピーの原因は不明なのである。その現実が見えるか見えないかだけしか私はこの問題の解決に向けて物事を見ることが出来ないと思う。
 今の世の中の閉塞感だってこの十年間朝まで生テレビなどを見て学者の意見を聞いているがまったく答えはないから不景気なのである。

 科学は発達したとか、医療は進んだというがまだまだ、根底的なところはまったく分からないことだらけですべてにおいて、なにがいいか悪いか、善なのか悪なのかなどの二元的な議論はまったくのナンセンスであるということだけは言えるのではないだろうか。

 カルト資本主義のカルトの定義は何が良くて何が悪いかという二元論を明確にすることで人々の思想を停止させてしまうことにあるそうです。例えば幸せと不幸なら幸せがよい。金持ちと貧乏なら金持ちがいい。健康と病気なら健康の方がいい。人に好かれるのと、嫌われるでは好かれるが方がいい。では幸せになったり、お金持ちになったり、健康になったり、人に好かれたりするにはどうすればいいのか。それは、今のあなたがすべて悪だからつかめないと切り出すのである。これは人格否定もしくは崩壊させるためにするための理論なのである。

 自己実現するために何が出来るかとか、共感を呼ぶためには何が出来るかとか、人の心を捉える方法はどうとかそんなものは、掛け声だけしかなく、そういうことを言えばこの人がどう思うかというところまで気が回らない限り、空周りに終わるだけでしかない。

 とにかく世間に答えなど求めるのはわざわざ人にだまされに行くような行為である。苦しくとも明日、命があるならば生きていくことしか出来ないのではないかと思う。

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このページは、takayamakeが2006年8月24日 01:16に書いたブログ記事です。

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