学園葬に参列して

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 少し時間がたちましたが、11月3日私の母校で大学設立者の学園葬があった。松葉杖をついて街を歩いていた私はいこうかどうか悩んだが、葬儀に出る回数だけ自分の葬式に人が来るという話を思い出し、出席することとした。

 大学設立者というのはスーパーのダイエーを作り上げた中内功(功の力は刀)氏の学園葬である。

 いま、NPO関係に従事している私は商いを教える大学が母校である。大学入試に通過したのは高校時代のボランティア活動の成果であったし、大学在学中は消費者運動について学んだ。

 経営学科卒業の私は会社や経営者の失敗をどのように解決していくのかというアプローチのことばかり勉強していたような気がする。なので、経営者の立場に立った学問というのはいまいち好きではなかった。

 現に大学在学中、中内氏の講義を聴くのもあんまり気がすすまなかった。ダイエーの経営危機がささやかれだしたころと大学在学時期が同じだったため、現段階では経営に失敗した人間が今までの成功例の話を聞いても仕方ないんじゃないとかおもったんである。

 しかし、最近は私が大学に通えたのも中内氏が大学を作ってくれたおかげだし、せめて最後のお別れ会ぐらいには参列しておこうとつらい足を引きずりながら参列した。

 そして、参列後中内氏の経歴や、実績などが簡略にまとめられた冊子を二冊ほど大学側から渡された。そして、帰りの電車で冊子をぱらぱらとめくって読んでいたのだが、私はダイエーがなぜ大きくなったのか、そして、中内氏があれだけの負債を抱えられるだけの信用がなぜあったか誤解していたような気がした。

 中内氏は戦争経験者で戦地にも実際派兵されたのである。そして、敗戦を迎えて、戦争の無残さと生きていくことの難しさを経験して彼は日本に復員してからある理念を掲げるのである。

 1、戦争の原因は国対国が資源などの物の取り合いから始まる。ものが自由に流通する世の中になれば紛争を減らすことが出来るのではないか。
 2、相手国への不信感が戦争のきっかけとなる。人間同士国家間が信頼できる関係作りを心がければ戦争を回避できるのではないか。
 3、「大和魂さえあればなんでもできる」精神主義は人間の主体性を奪うことになる。なにごとも自分で判断できる社会作りが戦争回避につながるのではないか。

 上記の理念が先か後は置いておいて、スーパーダイエーは戦後貧しい生活を強いられていた時代の必要最低限の必要な日用品を限界まで安く提供するという理念は当時としては画期的だっただろう。日用品を少しでも多くのものを買いたいけども商品が高くて買えない時代。ダイエーに行けば少しでも生活を楽に豊かに出来るという夢を与えることも出来たと思われる。

 そして、狂乱物価の時代にもダイエーの理念はその時代の消費者に絶大な人気を得られることになる。

 そういわれてみると、私の父はいまだにダイエーの支持者である。しかし私は今のダイエーが嫌いである。それは、商品があまりにも粗雑すぎるから。安くたって質の悪いものは買わない時代である。

 確かに中内氏の経験から平和な時代を作るために掲げた理念はとても大事なことだとおもう。ただ、時代というのは恐ろしいもので今の日本に中内さんが思い描いていた少しでも生活を楽にするために必要最低限のものをよりやすく買おうとする消費者がこの豊かな時代にいなくなってしまったことがダイエーの衰退を招いたのではないだろうか。

 1980年代ダイエーは経営危機を迎える。この時代にダイエーはより良いものをよりやすくなのか、商品ごとの利益率なんかで経営判断を迫られたとき中内さんは創業当時の理念を掲げ続けていたのではないだろうか。

 社会の問題を少しでも解決する方法というのは時代により変わっていくのだということをダイエーの中内さんに教えられたような気がする。

 私も、NPOに関わる身として団体として掲げる理念はどれだけ崇高であっても永遠ではないということを学んだ気がする。

 中内さんのご冥福をお祈りいたします。

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このページは、takayamakeが2005年11月19日 02:38に書いたブログ記事です。

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