アトピー連続小説 骨折とアトピー 第七話

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アトピー看護婦と脱ステロイド全盛時代

ある日
今まで見かけなかった看護婦さんが担当となった。
その看護婦さんから私にアトピーのことについていろいろと、話を聞いてきたのである。抗アレルギー剤はなぜ飲まないのかから始まり、患部の処置など詳しく聞くのである。私としては、実体験を交えてアトピーのコントロールがいかに複雑なのかを話していたとたん、

「私もアトピーなのです」

というではないか。
言われてみれば腕の関節がアトピーぽかったがほとんどわからないものだった。
看護婦さんが
「私も抗アレルギー剤ヒスタミン剤を飲むんですけど、効かないんです」という。
プロトピックがどういう副作用があるか、そして、アレルゲンは見つかっているのかなど話をする中で

「私、ステロイドを顔に塗っているんです」

というではないか。
たぶんこの看護婦さんはステロイド以外でアトピーに立ち向かう患者が珍しかったのであろう。そしてステロイドなしでアトピーと共存共栄する方法は治療放棄ではないこともようやく理解をしてくれた。

「ステロイドを塗るの副作用の話を聞くと本当は怖いのです」

というではないか。

そこで私は
「ステロイドをやめてもアトピーは治らない。アトピーといかに付き合っていくかが肝心だと思います。私はステロイドを使わない選択肢が正しかったと声高には言える立場ではないです」
といっておいた。

そうすると看護婦さんは無言になっていた。

ただ、その看護婦さん、私が治療放棄をしているアトピー患者ではないと思ってもらえたことと、アトピーの治療法が如何に難しいかは、その人の口から看護婦に伝わることが何より安堵感があった。

今まで、病院内でのアトピーの理解者を求めて苦しんだが、以外にも看護婦の中にアトピー持ちがいるという部分を見逃していた。これからはアトピー持ちの看護婦さんから病気のことを伝えていくことが必要と感じた。

そして、10月に入り人事異動があったらしく、
今度も、あまり見かけない看護婦さんが病室に来たのであった。
40代後半の看護婦さんは、「高山さん、アトピーなんですって」と話しかけてきた。
高山「はい、アトピーです」
看護婦「割合、調子のいい状態ではないですか?」といわれた。
私の病状を見ても、悪いという表現をする人のほうが多いのであるが、珍しいなと思い
高山「そうですね、12年間ステロイドを使わない治療をしている中ではいいと思います」
看護婦「え、ステロイドを抜いてから調子がよくなったんだ」
高山「そうですよ。」
看護婦「昔この病院に居たK先生のときはアトピー患者がたくさん入院してましてね。朝になれば多くの患者さんの処置をして大変でしたよ。でも、ステロイドを抜くのが成功した患者さんが居てよかった」
高山「え、この病院昔ステロイドを使わない治療していたんですか?」
看護婦「そうですよ」

なんと。私にステロイドを18年間投与した医師の後にはステロイドを使わない治療をしていた医師が存在していたとは。。。

 その看護婦さんは6年半ぶりにこの病院へ戻ってきたそうです。
この病院には私が受診しなくなってから数年後の1997年ごろから、アトピー患者を多く抱えていて、ステロイドをいったん使用中止し、アトピー病変がよくなるのを待つ治療をしていたらしい。そのころの話を聴いていると、アトピーに対する看護婦さんの理解もあるような口ぶりであった。(これがほんとかどうかはわからないが。。。)その先生は、数年前勤務時間外に他の病院で診察をしていたという告発とともに、解雇されていた。確かにそのころ、ステロイドを使わない治療をする医師は大きな病院から追い出される形の処遇を偶然ではあるが受けていた。

 ステロイドを使わない治療をする時代は終わりを告げたというよりも、若手の医師からは「私にはあの方法はちょっと。。。」という感じの意見である。

 私がアトピー的自由計画を作ろうと思ったきっかけとなったのは、ステロイドを使わない治療を選択肢としてのこすのにはどうするべきなのかが大きな課題であった。それには、患者の声を一般の人に見てもらい知ってもらい、理解してもらうことが、医療の世界を変えていくひとつの手段であると考えたのである。ステロイドを使わない治療を選択肢として残すことは、ステロイドを使っているつかっていない関係なくアトピー患者全体がどちらの選択肢ももてることなのである。なので、治療の手法を比較するのは無駄なことだとも改めて思い返したのである。

 ステロイドを使わない治療をしていた医師ががんばっても、患者か病院側に何のアクションもせずただ、次の病院へと逃げているようでは、今後も理解のある病院は無くなっていくだけだろう。

 病院を民営化すれば採算の取れない治療は切り捨てられるという、自治体が市民を守るかのような誤解は、この病院の現状を知れば如何に間違った価値観なのかを知るのである。

そして突然、医師から呼び出しがかかった。

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このページは、takayamakeが2005年10月20日 00:00に書いたブログ記事です。

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